タイトル: 悼む人
作者: 天童 荒太
出版: 文芸春秋 2008.11.30
⇒140回直木賞受賞。
『オール讀物』(文藝春秋)にて2006年10月号から2008年9月号まで連載。
悼む人「坂築静人(さかつき しずと)」を巡る、家族、旅先で悼んだ男の妻、悼む人に
興味を持つ新聞記者を中心に小説は展開する。
生きるということ、死ぬということ、死んだこと、殺したこと、憎むこと、嘆くことなど
死生観について改めて考えさせられる小説だ。
悼む人こと静人のエキセントリックさに戸惑うものの(それは、雑誌記者エグノと同じ
目線として読者と重なるのだ)、彼の悼みを一緒に体験してゆくことで、行為や新年を
理解し、でも、その行為そのものに、憤り、新興宗教と疑う市井の人々の意見と同様
やはり、理屈では理解できない不思議さを感じる。
読み手によって、様々な考え方ができる、含蓄にとんだ小説ということが言えるのでは
ないだろうか?生きることは、死ぬことに向かって営々と生活をするという、非常に
皮肉な行為であるが、死後の天国、地獄、冥福、極楽浄土ということではなく、ココロに
その人のことを刻み込む・・・。=悼む。
最後の悼む人の母親の結末は、予定調和すぎか!?
「オンラインカンソウブン」