タイトル: 真夏の島に咲く花は
作者: 垣根 諒介
出版: 講談社 2006.10.10
⇒垣根作品初の恋愛小説という触れ込みだったはず。
確かに、前半はそのような内容であった。だが、読み進むにつれて、垣根ワールドに突入。
フィジーに移住した日本人、フィジアン、インディアン、華僑、ワークビザで働く日本人・・・。
歴史、人種、文化、政治、思想、恋愛、蔑視、暴力。
確かに恋愛を基軸とした青春群像を描いているが、垣根の旅行代理店時代に培ったであろう
ワールドワイド(陳腐な表現だぁ)なスケール感、しかも、今回の舞台はフィジー。
普通は南の島の観光とラグビーくらいしかイメージがないが、2000年のクーデターを背景に
複雑な人種構造のなかにある、各人種の言い分を主人公、周辺の仲間の立場から書き分けた
プロット構成が溜まらなく良い。人種×恋愛。
小さな島の、首都から離れた町の5~6人の話なのに、なぜこんなに大きいのだろう、重くココロに
響くのだろうか?
垣根作品を読むといつも思うのは、見てはいけない、やってはいけない、一線を越えた領域に
踏み込み、予定調和に終わらない発想が、この人のアイデンティティーなんだなぁ・・・と。
「オンラインカンソウブン」