作者: 奥田 英朗
出版: 文芸春秋 2009.9.30
⇒しばらく、海堂尊にはまっていたので、久々の奥田作品。
正月のブックオフで半額セールだったの入手したもの。
やっと、お安くなりました。
さて、無理は直木賞受賞作「最悪」、その後リリースの「邪魔」に
続く2文字シリーズ第3作。
とはいえ、家日和もオリンピックの身代金も、複数の登場人物の
まちまちの生活、行動、気持ちを奥田流の憑依術で、リアルに
表現。最後に一同が会してフィナーレ。
という流れは、奥田作品の真骨頂でもあり、(きらいではない)
マンネリズム。
そのなかで、2文字シリーズは、登場人物全員が、ふとしたきっか
けで、悪いほうに悪いほうに転んでゆくという、お決まり。
さて、今回の不運な方々は、架空の町「ゆめの市」に住む住人。
「ゆめの市」は不景気、ぱっとした産業もなく、インチキビジネスや
生活保護が蔓延しているという、先々を予感させるもの。
いや~、今作もやります。どんどん、不幸に、どんどんはまってゆく。
奥田シリーズに造詣が浅ければ、星4っつだったかもの作品。
やはり、この方安定している。
「オンラインカンソウブン」
]]>作者: 奥田 英朗
出版: 新潮社 2007.4.10
⇒相変わらずの奥田節。
今回の短編小説集は「家に居る」ということがテーマ。
奥田節とは、悪く言えばマンネリ。ところが、それをそうと思わせないのが
奥田さんのすごいところだ。
話自体は軽いので、可もなく不可もなく読めるのだが、要所要所に読者を
うなずかせる「気づき」「インサイト」を感じさせる、世間、ヒトの洞察力と
文筆に生かす力量の絶妙なバランス。
感動を呼ぶものではないが、振り返って、自分、家族、会社の同僚、友人の
ことを考えてしまうテーマ性に星3っつ!
「オンラインカンソウブン」
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作者: 奥田 英朗
出版: 講談社 2001.4.1
⇒クライムノベルといえばクライムノベルであるが、最悪の第二段という感覚で読み出した
「邪魔」。相変わらず、奥田さんのなりきりはすごいなぁ。主婦、高校生、サラリーマン、刑事。
放火事件から始まり、登場人物それぞれが、最悪の事態へ、蟻地獄にひきづり込まれてゆく
不愉快感覚と楽しむ?進行は最悪と同じ手法ではあるが、一応主役級は、パート主婦の恭子。
事なかれの恭子が、あのようになり、そして・・・。
このリアリティーって、取材がしっかりしているのに加え、やはり奥田さんが器用なんだろうなぁ。
うそくささがないもん。
「オンラインカンソウブン」
]]>作者: 奥田 英朗
出版: 角川書店 2005.6.30
⇒インザプールで直木賞を受賞した後の長編。
最悪、邪魔とは異なった手法。
なにせ、主人公のオヤジがアナクロ。全共闘などというコトバを聞いたのは
何年ぶりか。「総括」「自己批判」「公安」「オルグ」「セクト」いやはや、いははや。
前半の東京中野でのいきさつでも充分面白いのに、沖縄に家族で引越しして
から更に盛り上がる。奥田氏はひとつ年上だから、全共闘世代ではないのに
マドンナ、ガール!で見せる、ユーミン的な他者憑依、イタコののような変幻
自在の口調(老若男女、ヤクザから女優まで)に至るキャラクター書き分けは
毎度驚くばかり。
おとなしそうな上原妻が、全共闘のマドンナ、神田のカルチェラタンの
ジャンヌダルクというのはいいねぇ~。
豪胆なオヤジとはまさにこのこと。ここまではちゃめちゃなら許せる。
上原氏とパイパティーローマに行きたい・・・。
「オンラインカンソウブン」
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