作者: 垣根 涼介
出版: 新調社 2010.1.15
⇒安定している、ヒューマンリアクト「村上真介」シリーズ第三弾。
君たちに明日は無い、借金取りの王子、最新作のこの本に進む
毎に、文章もこなれて、気負いがなく自然になってきているようだ。
今回のリストラの舞台は、
◇英会話学校
◇旅行代理店
◇自動車ディーラー
◇出版社
旅行代理店の登場人物は、垣根自身。自動車ディーラーは垣根の
カーマニアならではの世界、出版社も文筆業になってからの経験が
活かされているのだろう。
業界事情にもリアリティーがあり、フィクションとは思えない。
リストラという不条理を通じて、主人公の内面、人生観、反省、希望を
文章にするという手法。リストラ請負人の真介は、そのコメンテーターであり
垣根自身の心情すら代弁している語り部であろう。
一気に読んでしまった。個人的には、自動車ディーラー編が好きだ。
「オンラインカンソウブン」
]]>作者: 垣根 涼介
出版: 講談社 2006.4.10
⇒垣根は南米がすきだねぇ。
長編の書き下ろし。ワイルド・ソウルに比べて、評点が低いのはプロット全体の
厚みが、(あくまで比較論として)ワイルド・ソウルに比べてややたりないかなぁ、と。
とはいえ、毎度といっては失礼だが、コロンビア日系移民の家族の両親が殺されて
残った子供が、ダークサイドで育ち、裏社会でトップに上り詰め・・・というプロセス
までの描写、心理的葛藤、日本人とラテン系コロンビア人と異人種との比較は見事。
今回は、主人公リキ小林ガルシアが、悪人に徹しているが、悪の組織の中でも、
「見捨てない=身内に対する究極の愛情」という信念を貫き通す主題が救いであり
この本のテーマでもある。
それは、娘のカーサに、ひょっとして妙子にも・・・。
クライマックスの襲撃シーンは読み応えがある。
ただし、期待のカーチェイスは無い、が、それもまた良し。
そして・・・。今度はそう来ましたか。いろいろ、期待を裏切ってくれて
また、次を読もうという気になりますよ。
「オンラインカンソウブン」
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作者: 垣根 諒介
出版: 講談社 2006.10.10
⇒垣根作品初の恋愛小説という触れ込みだったはず。
確かに、前半はそのような内容であった。だが、読み進むにつれて、垣根ワールドに突入。
フィジーに移住した日本人、フィジアン、インディアン、華僑、ワークビザで働く日本人・・・。
歴史、人種、文化、政治、思想、恋愛、蔑視、暴力。
確かに恋愛を基軸とした青春群像を描いているが、垣根の旅行代理店時代に培ったであろう
ワールドワイド(陳腐な表現だぁ)なスケール感、しかも、今回の舞台はフィジー。
普通は南の島の観光とラグビーくらいしかイメージがないが、2000年のクーデターを背景に
複雑な人種構造のなかにある、各人種の言い分を主人公、周辺の仲間の立場から書き分けた
プロット構成が溜まらなく良い。人種×恋愛。
小さな島の、首都から離れた町の5~6人の話なのに、なぜこんなに大きいのだろう、重くココロに
響くのだろうか?
垣根作品を読むといつも思うのは、見てはいけない、やってはいけない、一線を越えた領域に
踏み込み、予定調和に終わらない発想が、この人のアイデンティティーなんだなぁ・・・と。
「オンラインカンソウブン」
]]>作者: 垣根 涼介
出版: 幻冬舎 2003.8.25
⇒おったまげた、腰抜かした、なんにも言えねぇ・・・。
読後直後は、他の小説を読む気にならないくらいのスケール、歴史の重み、人間の性(さが)
正義、バイオレンス、怨念、爽快感、五感いや六感まで刺激された。垣根作品の最高峰といえよう。
ヒートアイランドシリーズの良さとは異なった、正義感に立脚する部分と、垣根の好きな南米系
お気楽さが、緊張感の中にも立体的爽快感とでも言うべきトーン&マナーを生成している。
小説内の楽曲「シランダの輪」の数ページはページを繰るたびに歌詞内容と相まって、前半の
クライマックスを演出。これには参った、参った、参った。こんな、書き方は違反である!
本当のクライマックスの予定調和で締めくくってくれた垣根氏に感謝したい。
「オンラインカンソウブン」
]]>作者: 垣根 涼介
出版: 文芸春秋 2003.7.15
⇒スピード感、バイオレンス、舞台設定、クルマや犯罪知識。
マニアックまでな、研究、調査が小説にリアリティーを与える。
垣根作品の安定した小説だ。
ストリートギャング雅のアキとカオルは、仲間が持ち帰った大金に驚愕。
ヤクザが経営する非合法カジノから、裏金強奪のプロフェッショナルの男たちが強奪した金だった。
ストリートギャング、ヤクザ、強奪のプロ。三つ巴の争奪劇。
仲間の拉致、そこからの救出劇。
いやはや、おもしろかったっす。
「オンライン・カンソウブン(感想文)」
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