作者: 佐藤 多佳子
出版: 新潮社 2002.10.30
⇒佐藤さん作品3冊目!
「一瞬」とは違った1人称×男女、各々の視点で進められる手法だ。
絵を描くのがが好きなゴールキーパー木島悟と絵を描いているのを見るのが好きな
村田みのりの青春恋愛小説。
黄色い目の魚は、佐藤さんが学生のときに書いた短編が長編作品へのきっかけと
なっている。
悟の屈折した、でも、根っこはストレートな男気のあるキャラクターと、同じく屈折し
ココロを閉ざし、オジのイラストレーター&漫画作家の通ちゃんにしかココロを開いて
いなかったみのりが徐々に絵を通じて、悟るにココロを開いてゆく。
1人称×男女という技法で、悟る視点、みのり視点で語られるシナリオは見事!
コミュニケーションを介在しなければわからない、相手のココロ、想い、喜び、怒り
嫉妬、悲しみの機微を表現するに、この技法が光り輝く。
舞台は(実名は出ないが)鎌倉高校。湘南の設定がまた、いい雰囲気をかもし出している。
言って見れば、うじうじした男女のへんてこりんな恋愛なのだが、それがまたリアリティーを
生んでいる。
いいね~。
「オンラインカンソウブン」
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作者: 佐藤 多佳子
出版: 新潮社 1998.9
⇒国分太一君の主演で映画化されてもいる。
頑固、瞬間湯沸かし器、純情な二つ目落語家の青春小説。
主人公の周りに集まった、話ベタといじめられっ子4人。
この4人が自分の課題を解決しようと、落語「まんじゅうこわい」を教わるわけだ。
吃音のでてしまうイケメンテニスコーチ、男に振られた元舞台女優
開設の出来ない野球解説者、いじめにあっているタイガースファンの小学生。
落語の世界においての、主人公の周辺人物との掛け合いなど、入念に
落語界を調べたことが活かされ、批評に小気味が良い。
なんとなくの主人公の失恋や、新しい恋のようなものも展開。
クライマックスは・・・。
淡々と流れつつも、飽きさせない展開は佐藤さんの技量の高さからくるものだろう。
続編があってもよいなぁ。
「オンラインカンソウブン」
]]>作者: 佐藤 多佳子
出版: 講談社 2006.8.26他
⇒まいった、あまずっぱい五つ星。
2008年ドラマで放映されたのをチラッと見たが、あれはなんだったのか?
たった1頁の文字量なのに、映像にしたところで、音楽をつけたところで
かなわぬ、情報、情感、想像、感動を与えてくる。
陸上の短距離走がテーマのこの小説。主人公新ニの成長とともに描かれる
友情、愛情、家族愛、師弟、部活。
上中下刊と3冊セットではあるが、一気に読みつくしてしまった。
久々の五つ星、吉川英治文学新人賞、本屋大賞2008年1位のW受賞が
うなずける。
何書いてよいかもわからない。
走るのが苦手でも、陸上をやりたくなる。主人公と同化して、位置について~
スタート!一瞬で走りきるスピード感。充実感、敗北感。
こんなひたむきな高校生ではなかった、憧れも手伝い、あの頃に戻って
いろいろやり直したい・・・と思ってしまった。
「オンラインカンソウブン」
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